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 駒落ちのルールと手合割、心がまえ

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駒落ちのルールと手合割、心がまえ

 

 将棋では、あまりに実力差がある人同士が対局するときは、上手の駒を落としてハンディキャップとします。これを駒落ち戦と呼びますが、誰でも将棋を覚えたての頃は経験するものです。初・中級者の場合は指導の意味合いが強くなりますが、将棋クラブなどでの駒落ちリーグ戦のように、ハンデをつけることによって対等に勝負を争う場合もあります。

 プロ棋士がアマチュアに指導対局する場合も、当然ながら駒落ちになり、しかもプロの2面指し~5面指し、状況によってはそれ以上の多面指しになることがあります。プロは指導に徹していますから、アマを相手に駒落ち将棋で無理やり勝とうとはしませんが、指導という意識の薄いアマは練習対局でも、あの手この手を使って下手を負かしにきます。

駒落ち戦の種類

 駒落ち戦は棋力の差により、下の表のように「香落ち」から「6枚落ち」までがあり、さらに「10枚落ち」まで指されることがあります。

 なお、駒落ち戦では、初手は駒を落としている上手のほうから指すことになっています。棋譜に表わす時の記号は、先手である上手を☖で表し、下手は☗で表します。また、盤面は下手(☗)の側から見たものになります。

 (名称)   (上手が落とす駒)
香落ち   左側の香
角落ち  角
飛車落ち 飛車
飛香落ち 飛車、左側の香
二枚落ち 飛車、角
四枚落ち 飛車、角、左右の香
六枚落ち 飛車、角、左右の桂香
八枚落ち 飛車、角、左右の銀桂香
十枚落ち 飛車、角、左右の金銀桂香
十枚落ちの初期画面
  ※十枚落ちの配置



段級差と駒落ちの手合割―アマの場合(日本将棋連盟の規定)
(段級差) (名称)  (備 考)    
 0     平手    振り駒で先手を決める
 1     先     下位者を先手とする
 2     香落ち   上手が先手(以下同様)
 3     角落ち
 4     飛車落ち
 5     飛香落ち
6~7   二枚落ち
8~9   四枚落ち
10以上   六枚落ち

入門者と駒落ち戦/上手の心得

 
 駒落ち戦は通常、香落ちから六枚落ちまでですが、将棋のルールと駒の動かし方を教わったばかりでは、初段クラスの指導者と六枚落ちで対局しても全く将棋になりません。そこで八枚落ちとか、時には十枚落ちが指されることがあります。

 十枚落ちでは上手陣が歩と王将のみになりますが、それでも初めての対局では下手は何をどうすべきかがわかりません。実戦に入る前に、敵陣の破り方や王の詰め方などを先に教えておくべきでしょう。指導者は、初歩の初歩をひととおり教えた上で、時々ヒントを与えるなどして早く十枚落ちと八枚落ちを卒業させることが肝要です。そうしないと入門者は嫌気がさして、将棋をやめてしまうかもしれません。また、同程度の入門者同士で練習試合をさせることも、将棋が面白くなってもらうために重要なことです。その際、その対局を見守りながら、教える内容を考えておくのが、指導する側の心得といえるでしょう。

二枚落ちについて/下手の側から見ると

 ところで、将棋のハンディキャップは下手にとって気分の良いものではありません。二枚落ちを例にとっても、飛車角のない上手を攻めたつもりでも、逆に押し返され、じわじわと自玉が圧迫されるわけですから、たまったものではありません。まして、大駒を一枚とられてしまうと、もうおしまいという気分になるのではないでしょうか。
(実際は、大駒をバサッと切って寄せの形をつくるのが、勝ちパターンの一つなのですが…)

二枚落ち・二歩突き切り定跡
  二枚落ち・二歩突き切り定跡
   (図は☗3八飛まで)
  ☗3八飛で☗5六歩とすると、
  銀多伝定跡に進む。

 二枚落ちには江戸時代から、二歩突き切り定跡とか銀多伝定跡という完成された戦法がありますが、中級以下の棋力では理想形に組み上げるのは難しいでしょう。上手が定跡を知ってか知らずか、習った手順通りに指さないと、かえってひどい結果を生むということもよくあります。また本に書いてある通りの理想形が組めても、寄せや詰めの力がなければ、なかなか勝てるものではありません。

 二枚落ち定跡は、金銀桂香でしっかり守る上手に対して、セオリー通り飛車角銀桂で攻めの理想形を作って戦うという意味で、大いに勉強になる戦法です。しかし、初段近くにならないと駒組みの深い意味が分からず、真剣勝負では6~7級(段)差を埋めるハンディキャップになっているかどうか、疑問が残ります。

 しかも、「二枚落ち定跡が、他の駒落ち戦や平手戦に役立った」という話も、聞いたことがありません。わざわざ「二歩突き切り定跡」や「銀多伝定跡」を勉強する人が少ないのはそのせいかもしれません。それよりは中盤や寄せの手筋、そして最後の詰めの勉強を優先するほうが、はるかに上達に貢献するでしょう。

※関連ページ
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