反則、禁じ手のルール(二歩、打ち歩詰めなど)
①行き先のない駒の禁止 ②二歩の禁止 ③打ち歩詰めの禁止 ④待ったの禁止
スポーツのように審判がいて、常に立ち会っているというわけではないので、ルールに従って当事者同士が解決できる仕組みになっているのです。ただし、正式の将棋大会では必ず審判がいますから、反則などに関してトラブルが生じたら、審判を呼んでその指示に従います。
1.行き先のない駒の禁止
【1図】 |
1図 桂、香、歩を打ってはいけない場所の例です。前にも後ろにも動けないので、打てません。また、打った駒ではなく、この位置に進んだ駒の場合でも、「成らず」で置けば禁止された手を指したことになり、反則負けです。
2.二歩の禁止
【2図】 |
2図 禁止された二歩の例です。二歩は打った時点で反則負けとなります。
〔左側〕 ☗7四歩と桂取りに打ちたくなりますが、その下7六の位置にすでに歩があるので二歩となります。
〔中央〕 気持ちよく☗5三歩と金の頭をたたいた場面。よく見ると5九にも歩があります。これは「金底の歩」といって守りに強い形ですが、離れているので実戦ではうっかり忘れがちです。もちろん、この瞬間、二歩になり、反則負けです。
〔右側〕 二歩ではない例です。☗1二歩と打ちました。すぐ下に「成歩=と」がありますが、この場合は「と金」なので、歩とはみなされません。
3.打ち歩詰めの禁止
【3図】 |
王を詰ますときに、最後に手持ちの歩を打って詰ますことは禁じられています。ただし、盤面にある歩を一つ進めることによって「詰み」になる場合は、OKです。打ち歩詰め禁止の場合と混同されやすいので覚えておきましょう。
3図 ☗1二歩と打って王手をかけました。王はこの歩を取ることができず、また、2二の地点にも金が利いていて逃げられないため、この王は詰んでいます。でも、このように歩を打って詰ますのは禁止されており、反則です。
4図 打ち歩詰めにならない例です。この局面で1五にある歩を☗1六歩と進めて詰ます場合は、「突き歩詰め」といってOKなのです。「歩で詰ますのは全部ダメ」と思っている人をたまに見かけますが、両者を混同しないように気をつけてください。
4.待ったの禁止
将棋に限らず盤上ゲームでは当然のルールですが、「待った」は反則です。将棋の駒を移動したり打ったりした際、駒から手が離れたらもうやり直すことができないのです。
仲間内の遊び(練習試合)なら、ほんの一瞬手が離れただけでは、駒を手に戻しても許されるかもしれませんが、正式の対戦試合ならその時点で反則負けになりますので、普段から絶対に待ったをしないことを心掛けておきましょう。たとえ、練習試合の相手が許してくれたとしても、「待ったをする心」そのものを直さなければなりません。悔しいかもしれませんが、その悔しさが上達のばねになります。