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対局のマナーと振り駒

「将棋を楽しむため」のマナーと、「文化として」の作法

 

 将棋のマナーというと、何やら堅苦しい印象を持つ方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、将棋は目の前の、せいぜい1メートルくらいしか離れていない人と勝負を争いながら、それを楽しむゲームです。マナーとは、お互いにイヤな気分にならないための礼儀であり、ルールなのです。

 とはいえ、将棋は囲碁と並んで「棋道」と呼ばれ、江戸の昔から茶道や華道などと同じような精神修養の意味合いが強いものでした。そのため、現代人には儀式としか思えない形式的なマナーも残っており、そうした文化としてのマナー(作法)を守らなければならないと考える人たちも、少なからずいらっしゃいます。

 ここではまず、将棋を楽しむ上での最低限のマナーをまず解説し、その後に「文化としてのマナー」を簡単に紹介しておくことにします。

「待ったをしない」は最低限のマナー、というよりルールです

 将棋は交互に指すゲームですから、「待った」はマナーというよりはルール違反です。待ったにも2種類あって、相手の指した手を見てから(たとえば王手飛車取りなどをされて)手をもどしてもらってやり直す場合と、相手が指す前に失敗したことに気がついて指した手を変える場合があります。前者は問題外としても、後者の待ったは「少しくらい認めてもよいのでは」と思うかもしれません。でも、そうした情に流された判断は線引きが難しく、また、待ったを許すのは長い目で見て本人のためにもならないのです。

 そもそも将棋では、指した(あるいは打った)駒が盤上に置かれ、指が離れた瞬間に着手は終了しており、変更できないのがルールなのです。これを厳格に適用すれば、指が離れた駒をもう一度つまみあげた瞬間、「待った」が成立し、即座に反則負けとなります。親しい間柄の練習試合では、そこまで厳密にしなくてもよいのかもしれませんが、それを認めていると軽率な手はなくなりません。それに待ったをされて負けたほうの気持ちはどうなるのでしょうか。待ったをして勝ったほうも、後味が悪いはずです。

見ている人は助言をしない

 助言は「待った」以上によく見る風景です。仲間同士だと遠慮がない。そこに弱いほうに味方したくなる日本人的な心情が加わって、つい口が出てしまうのは理解できます。でも、それはやってはいけないことなのです。局後の検討でもない限り、真剣に勝負をしている双方に失礼です。助言されたほうが勝った場合、人の力を借りて勝つことが爽快感や自信につながるかどうか。また、他者の助言のために負かされた側も、内心悔しいに違いありません。

 なお、助言したかった「問題の場面」が過ぎた後で、こうすればよかったと教えるのも慎むべきです。対局中に「ああすればよかった」と悔しがることになれば、心が乱れてその後の将棋にも影響しますし、また助言した場面に似た状況が発生して、教えた手が生きるかもしれません。どうしても教えたければ、その局面の配置を覚えていて、局後に教えるようにしたいものです。

礼儀に関すること

 将棋は頭脳スポーツでもありますから、柔道や野球、サッカーなどのスポーツと同じように礼儀がとても大事です。

対局の初めと、投了の意思表示、終わりのあいさつ

 対局者が駒を並べ終わったら、指し始める前に必ず「お願いします」と一礼をします。これはお互いの棋力や年齢、社会的地位にかかわりなく、「お願いします」なのです。

 また、投了の際もあいまいにせず、はっきりと「負けました」とか「ありません」「ダメですね」などと声を出して意思表示をします。投了があいまいのまま、感想を述べたりしていると、対局が続いているのか終わったのか観戦者もとまどいますし、トラブルの元になりかねません。まして、黙って席を立つなどは、意思表示の形になっておらず、非礼といわざるを得ません。

 局後の感想などが終わったら、「ありがとうございました」とあいさつしてから、席を立ちます。なお、感想を述べるときに、勝った喜びや負けた悔しさを露骨に感情に出さないことも、紳士淑女のたしなみです。この点だけはスポーツの世界と違うのです。

取った駒は相手にも見やすいように

 取った駒は駒台があればそこにのせて、きちんと並べます。駒台は盤の右側に置くことになっていますから、左利きの人は、人によってはハンデになるかもしれません。駒台がない場合は、盤の右側の相手が見やすい場所に並べます。よく取った駒を握りしめている人がいますが、乱れた駒をきちんと直す時と、打つ駒が決まった時以外は触らないようにするほうが、マナー的に美しいでしょう。

対局中のおしゃべりは親しい間柄でもほどほどに

 対局中に相手に話しかけたり、観戦者と雑談をしたりしている人を見かけますが、どんなに親しい間柄であってもできるだけ控えたほうがよいでしょう。将棋に集中していないか、あるいはゆとりある姿を見せびらかしているのか、いずれにしても対局相手は集中力をそがれますし、お互いに将棋の質が落ちて上達にもマイナスです。

 ただし、気心の知れた仲良しグループ内での遊びでそうするのは、嫌がっている人がいない限り問題ないでしょう。昔の縁台将棋的な雰囲気があるなら、それもヘボ将棋(失礼!)の楽しみ方の一つともいえるのです。どうぞ、落語の「熊さん、八つぁん」になってください。

先手・後手は振り駒で決める

 棋力が同格同士の対局で先手・後手を決めるのは、将棋らしく振り駒で決めます。やり方は、双方が駒を並べ終わった後、上位者または年長者が自陣の歩を5枚取って、盤上またはテーブルの上などに軽くばらまきます。その際、駒は両手で包むようにしてよく振ります。

 表(歩)が3枚以上出たら、振り駒をした人が先手に、また裏(と)が3枚以上なら相手の人が先手となります。駒が立ったりしたものは数えないことになっています。振り駒で先手を決めるのはマナーとして扱いましたが、正式の対局ではルールとなっているので、この方法に慣れてください。

 なお、「駒の種類」の「王将」のところで説明したように、駒を並べるとき、上位者(または年長者)が「王」を取り、下位者が「玉」を取りますから、振り駒をするのは上位者ということになります。こうしたマナーは級位者レベルにはあまり浸透していませんが、強そうな人または年長者とやるときは、玉を取るように決めておけば無難です。

駒の並べ方の作法(順番)

 対局前に自陣に20枚の駒を並べる際に、順番があるということをご存知でしょうか。これは茶道や礼法などと同様で、江戸時代の将棋家元によって流儀が異なります。現代に伝わっているのは、「大橋流」と「伊藤流」ですが、こうしなければならないということではありません。
 駒の並べ方(順番)の作法


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