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将棋のレーティング方式について

段級方式よりも合理的な棋力判定法

 

 かつて、囲碁・将棋界では棋力のレベルを表わすものとして、段級方式しかありませんでした。そして、「初段」ともなれば、周囲から一目置かれる存在として扱われたものです。しかし、同じ「初段」でも「二段に近い初段」もいれば、「1級に近い初段」もいて、幅が広いのが段級方式の欠点でした。

 しかも、それを認定した団体や地方支部、道場、クラブなどによって基準や方法がまちまちになり、棋力を客観的に表す尺度とは言えない状態になってしまいました。長い年月を経て、あちこちで段級の認定がインフレ現象を起こしたためです。

 そこで採り入れられたのが、レーティングと呼ばれるチェス方式です。この方法は、棋力に応じた持ち点が与えられ、1局ごとに勝ち負けと持点の差に応じて点数の増減を図るというものです。つまり…

 ①強い人に勝てばたくさん点数がもらえ、弱い人に勝ってももらえる点数は少ない
 ②逆に、強い人に負けても失う点数は少なく、弱い人に負ければたくさん点数を失う

ということです。段級による棋力認定は、一度上がったら下がることがありませんが、レーティングでは必ず勝者にプラスされる点数と同じ点数が、敗者から引かれます。対戦相手に偏りがない限り、理論的には棋力を正確にランク付けすることができるはずです。

レーティングの点数増減法

 
 レーティング将棋では、最初に棋力に応じた「仮の持点」が与えられるのですが、この点数と従来の段級の関係については後回しにして、先にレーティングの点数増減法について説明しましょう。

 レーティングは、原則として平手戦(先手・後手は振り駒による)で行われます。同じ点数同士の対戦では、勝者がプラス16点、敗者がマイナス16点となり、1局ごとに計算の上、新しい持点で次の対局に移ります。

 また、持ち点に差がある場合の、勝ち負けによる点数の増減ですが、これは先の16点を基準にして、次の計算式で算出します。

  得失点 = 16点 ±( 持点差 × 4 % )

 たとえば、持点1800点の人と1850点の人が対戦した場合は、持ち点差が50点ですから、〔16±50×0.04〕=18点または14点となります。この数字の意味は、下手が勝てば下手+18点、上手-18点、上手が勝てば上手+14点、下手-14点、ということです。いちいち計算するのは煩わしいので、下記のような早見表が利用されます。

平手対局のレーティング計算早見表

 対局時の点数差    加減される点数
 ○ 勝 者  × 敗 者
 上位者  下位者  上位者  下位者
 0~12  +16 +16  -16  -16
13~37 +15 +17  -17  -15
38~62  +14 +18  -18  -14
63~87  +13 +19  -19  -13
 88~112
+12 +20  -20  -12
113~137 +11 +21  -21  -11
 138~162 +10 +22  -22  -10
163~187 +9 +23   -23  -9
 1887~212 +8 +24   -24  -8
213 ~237 +7 +25  -25  -7
 238~262 +6 +26  -26  -6
263~287 +5 +27  -27  -5
 288~312 +4 +28  -28  -4
313~337 +3 +29   -29  -3
 338~362 +2 +30   -30  -2
363以上 +1  +31   -31  -1

※400点以上離れた人同士のレーティング平手対局はできません。基本的にはレーティングに関係ない「駒落ち戦」か、「指導対局」となりますが、「駒落ちレーティング」を採用しているところもあります。

段・級とレーティングの換算

 レーティングが初めての人にとって、自分の持点がどれくらいになるのか気になるところでしょう。基本的には初段=1800点(または1600点)を基準に、1段(級)差を100点として、仮の持点を設定します。正式のレーティング点数は、レーティング戦を30局こなした段階で決めることになります。これは最初の申告が実態と多少異なっていても、対局数が多くなるにつれて、落ち着くところに落ち着き、他への影響も少ないという考えに基づいています。

 注: 段・級のレーティング点数への換算は基準が異なるものが併存します。また、仮の持点から正式持点への移行方法にも、小さな差異が見られますが、基本となる考えは同じです。

 将棋の段級とレーティングとの関係は次のとおりです。

 日本アマチュア将棋連盟
  六段  2300 3級  1500
  六段格 2250 4級  1400
  五段  2200 5級  1300
  五段格 2150 6級  1200
  四段  2100 7級  1100
  三段   2000 8級  1000
  二段  1900 9級   900
  初段  1800 10級   800
  1級  1700  
  2級  1600  
 将棋倶楽部24インターネット将棋道場
  八段 3000  3級  1300 
  七段 2800  4級  1200
  六段  600  5級  1100
  五段 2400  6級  1000
  四段 2200  7級   900
  三段 2000  8級   800
  二段 1800  9級   700
  初段 1600  10級   600
  1級 1500 11級   500
  2級 1400 12級   400

レーティングの点数は、強さのランクを正確に反映しないこともある

 
 レーティングは棋力のランク付けをするための方法として極めて合理的です。しかし、上の表のようにアマチュアの場合、基準となる初段の点数が異なっていたり、レーティングが行われる場の多くが閉じられたグループであったりして、「日本全国のあらゆる場で共通する棋力の目安」とまでは言えないようです。  一般に、完全に閉じられたグループ内でレーティング戦を行っていると、実際の棋力差以上に強い人と弱い人の点差が開いていく傾向があります。また、対戦相手に偏りがあると、たとえばアマ強豪の点数がプロ棋士よりも高くなるなど、現実離れした数字になることもあります。プロとアマは住む世界が異なるので、多少の交流対局があるといっても、単純にレーティングの数字を比較するのはナンセンスといえるでしょう。

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