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将棋で鍛えられる 右脳、左脳、前頭葉

 

 ここでは将棋が脳のどの部分を使い、脳にどのような効果があるかについて考えてみました。その前に、右脳、左脳、前頭葉についてあまりご存知ない方のために、簡単な説明をしておきます。

【左脳】 大脳の左側を指し、言語や計算、論理的思考を司っています。

【右脳】 大脳の右側を指し、図形や空間の認知、ものを探すなどの機能があります。

【前頭葉】 正確には前頭葉の前の部分、前頭前野のことで、大脳の額に近い部分です。意欲や計画、工夫、実行などを司る大脳の司令塔の役割を果たしています。

まずは右脳。目が慣れること

 
 将棋だけでなく、囲碁やオセロ、連珠、チェスなどの頭脳的盤上ゲーム全般にいえることですが、入門段階では理屈以前に図形的認知能力を使います。盤面に並べられた駒の配置を視覚的に脳裏に描き、1手〜2手、先をイメージする右脳的な能力がカギを握ります。

 平たく言えば、「早く眼が慣れることが大事」ということですね。その意味では、いろいろな人と対局をたくさんこなすことが、入門者にとって最善の上達法といえるでしょう。いわば視覚的な形から入り、右脳を鍛えるわけです。学校教育では右脳鍛錬の場は少ないので、貴重なトレーニングとなります。

目が慣れたらセオリー、左脳を活用

 さて、将棋がある段階になると、右脳だけでは壁にぶち当たります。そこで将棋特有のセオリーを併せて学んでいくことになります。例えば、「角や桂馬による両取り」「たたきの歩」「駒組みの基本」「攻めは飛車角銀桂」「守りは金銀3枚」…というようなことです。こうした基本的な形や筋を習得することが、将棋上達の第一歩です。

最終的には前頭葉。戦略思考を養う

 脳の仕組みと脳力について

前頭葉を鍛えようあなたも脳の仕組みを知り、脳を鍛えませんか! 脳科学の常識である右脳・左脳の機能の違いや前頭葉、頭頂葉、後頭葉、側頭葉などの働きを知ることが、頭脳鍛練の第一歩です。

 形や筋などのセオリーを学びながら実戦を重ねていくと、やがてあまり考えなくても、良い手がぱっと直感的に浮かぶようになります。これはセオリーが右脳化されるためで、左脳の負担が軽くなります。そのため、左脳はさらに次元の高いレベルのことに使うゆとりができます。学校教育でいえば、基礎の習得から応用力の養成へとステップアップするということでしょうか。

 このことは音楽の楽器に置き換えるとわかります。楽譜を見ながら一生懸命、間違えないように指を動かしているレベルでは、まだ曲をマスターしたとはいえません。楽譜を見なくても指が勝手に(自然に)動いて、流れるように曲が弾けるようになって初めて、表現のレベルに進めるのです。将棋でいえば、盤面全体を見て戦術的・戦略的な考え方ができるということです。

 将棋の最終ステップは創造的な脳ともいうべき前頭葉(前頭前野)を使うことです。定跡や手筋など、教えられたことの範囲内で考えるのではなく、局面に合った最善手を求めて自分なりに工夫する。それができれば、アマ高段者のレベルかもしれませんが、それとはほど遠い棋力であっても、前頭葉は十分に働き、鍛えられていくでしょう。

正解のない無限の世界への旅立ち

 

 日本の教育では常に「正解」が求められてきました。正解以外はすべて間違い、そして「正解を超える正解」も存在しない。そんな思考法しかできない、いわばマニュアル人間が社会に出たらどうでしょうか。どんなに高い学問を究めたとしても、現実の社会に絶対的な正解など存在しません。ある人にとって100点だとしても、他の人にとっては50点、いや0点ということがあるかもしれません。

 ビジネスでは「最大公約数」的結論が大失敗につながることはよくあります。また、その時は正しい判断だったとしても、時間の経過とともに「誤り」に転落することもあります。その意味でも、将棋をやっていれば、棋力の向上と共に状況の変化を直感的につかむ能力が向上しますから、柔軟な思考力が身につきます。

 将棋の勝負には正解は存在しません。歴史に残る大天才棋士でさえも悩み抜いて答えを絞り出したあげく、勝ったり負けたりしているわけです。棋力のレベルに関係なく、一手一手、自分なりの答えを出しながら腕を競っていく。勝負が決したら、勝ったほうも負けたほうも局後の検討を通して反省し、無限の世界に向かって精進を重ねる。まさに人生そのものですね。将棋にはいろいろな効用効果が期待できますが、最も大きな効果といえば、この「正解の見えない世界で工夫する」ということではないでしょうか。


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