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 王の囲い方は金銀3枚で

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王の囲い方は金銀3枚で

駒組みで大切なのは、王を守る城を築くこと

 

 将棋を覚えたての頃は、ほとんどの人が王を囲わず、飛車角や桂などが飛び出して駒の取り合いを始めます。そして、飛車や角を取られたり、龍や馬を作られて、自王がピンチに見舞われたりします。

 また、圧倒的に攻めて優勢のはずだった側の王でも、守りがあまりに弱いために、相手への攻めが途切れたとたん、一発逆転を食らうこともよく見かける光景です。

 そこで序盤の駒組みでは、攻めの態勢を作りながら、同時に王を守る城を築くことが最も重要になります。戦国時代のいくさを考えてみてください。殿様のいるところが野原の真ん中の一軒家だったら、たちまち敵に囲まれて攻め落とされてしまいます。大きな川や山などに囲まれた、小高い丘の上に城を築くのは戦国の世の常識。同じように、将棋も王を守るための城(囲い)を作り、最も安全な場所に王を置くのが定跡なのです。

守りは金2枚と銀1枚、飛車の反対側に囲う

 【1図】
相矢倉(同形)
 【2図】
矢倉囲い
 【3図】
相矢倉の出だし

1図 序盤の駒組み途中で、定跡になっている一場面です。飛車先の歩を一つ突き合っていますが、このような出だしを「相居飛車(あいいびしゃ)」と呼びます。そして相居飛車の中で最も多く指されるのが、この矢倉(やぐら)戦法です。王を左側に移動して、金銀3枚で囲う形を、矢倉に見立ててこの名前がつきました。双方が矢倉に組んでいるので「相矢倉(あいやぐら)」といいます。

 図では先手と後手が同じ形をしていますが、相居飛車では定跡の途中で、全く同じ形になることは珍しくありません。

2図 1図はまだ駒組みの途中なので王は囲いの中(2二の地点)に入っていません。王が中に入る前に戦いが始まることもあります。お互いにじっくりと腰をすえて駒組みをすると、最終的な矢倉の形は図のようになります。わかりやすいように、他の駒を全部取り除きました。この形を覚えておいてください。

矢倉に組むまでの手順

 次に2図の矢倉最終形に組み上がるまでの手順を示します。将棋は相手もあることですから、この手順になるとは限りませんが、基本となるものです。ぜひ、実際に盤に駒を並べ、棋譜に従って動かしてみてください。初手から6手までは後手の手順も示し、7手目から先手の手順のみを示します。

6手目までの手順
☗7六歩  ☖8四歩  ☗6八銀  ☖3四歩  ☗6六歩  ☖6二銀 (3図)


 プロ棋士や定石通のアマが相矢倉をめざす場合、だいたいはこの手順になります。後手が☖3四歩と角道を開けたら、必ず☗6六歩と角道を止めます。そうしないと角交換になることが多く、まったく別の将棋になります。また、☖3四歩のところで☖8五歩と突いてきたら、☗7七銀と上がります。手順は変わりますが、矢倉の形に組めます。

3図以降、先手が矢倉を組む手順
☗5六歩  ☗5八金右 ☗7八金  ☗6九玉  ☗7七銀  ☗7九角  ☗6七金右
☗6八角  ☗7九玉  ☗8八角 (前掲2図)


 角を7九~6八に移した後、玉を7九~8八と囲いの中に入れて矢倉の完成です。6八の角は、3五、2四のななめのラインをにらんで、飛車とともに相手の矢倉を攻撃するチャンスをうかがっています。

弱い人こそ、王をしっかり囲おう

 

 将棋の定跡は一手一手に意味がありますから、丸暗記しても、それがある程度理解できるようにならないと使いこなせません。しかし、少なくとも王の囲い方については、意味がよく分からなくても、その形と大まかな手順を知っていたほうが有利でしょう。特に初心者ほど、敵の囲いを崩す技術と力を持っていませんから、王の固いほうが勝つ傾向が強いのです。

 まずは丸暗記でもよいので、上の矢倉囲いを覚え、実戦で使ってみてください。そして、失敗したら、「組み方の手順を間違えた」のか、それとも「相手が早めに攻めてきたのに、対応を間違えた」のか、いろいろな原因を考えます。将棋に限らず、頭脳ゲームは失敗と反省の積み重ねで強くなっていくものです。


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