初段をめざす賢い将棋上達法将棋上達法 《初段を目指す》〔超初心者講座〕一手詰、10~6枚落ち、駒組…
 10枚落ち必勝法2(もう一つの勝ち方)

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10枚落ち必勝法2(もう一つの勝ち方)  

 

 10枚落ち必勝法の第2弾です。前ページの定跡では飛車と角が連携して、数の攻めで上手陣を突破する作戦を解説しました。まさに正面突破の正攻法ともいうべき定跡ですが、このページでは「もう一つの勝ち方」を知っていただきたいと思います。

将棋は、いろいろな指し方があるから面白い

 実戦の将棋は生き物、いや魔物ともいうべき存在で、一つのやり方のみにこだわっていると、なかなか上達しません。同じ10枚落ち戦でも「こんな勝ち方があるんだなあ」と感心するだけでも、将棋の発想が豊かになることでしょう。ここでは2筋にある飛車を7筋に振って、楽々と上手陣に成り込む戦法を解説します。

10枚落ち初期画面7筋の歩を伸ばす意味は?(初手から)
☖4二玉、☗7六歩、☖5四歩、☗7五歩 (1図)


 上手の初手☖4二玉は、角道に当たる3三の歩を守るため。三手目の☖5四歩は、下手が☗5五角と出て次に☗7三角成と馬を作るのを防ぐためです。ここまでは前ページの定跡と同じですが、ここで下手は☗7五歩と7筋の歩を伸ばします。その意味は…?

【1図 ☗7五歩まで
飛車を左に振る(1図から)
☖3二玉、☗7八飛、☖1四歩(2図)


 遠くから角が「成るぞ」とにらんでいるため、上手の玉は4二と3二の位置から離れられません。それなら上手の玉とは反対側に飛車を振った方が、簡単に敵陣が突破できるのではないか? ☗7八飛はそういう考え方に基づいた手です。分かっていてもどうすることもできない上手は、☖1四歩と逃げ道を作りながら様子見です。

【2図 ☗7五歩まで
飛車で攻撃開始(2図から)
☗7四歩、☖同歩、☗同飛 (3図)


 将棋の戦いはほとんどが歩の突き捨てから始まります。☗7四歩と突き捨て、☖同歩と取らせて飛車で歩を取り返します。これで次に飛車が敵陣で龍に成れます。

【3図 ☗7五歩まで
王手を受ける合駒がない!(3図から)
☖2二玉、☗7二飛成(4図)


 上手陣は玉と歩のみで、持ち駒もないので、3図から飛車で王手をされると、合駒がなく困ります。そこで事前に☖2二玉と逃げておくのはどうでしょうか? 下手は気持ちよく二段目に飛車を成り、初王手です。

【4図 ☗7五歩まで
上手、逃げ道を誤る(4図から)
☖1三玉、☗3三角成 (5図)


 ☖1三玉と逃げた瞬間、3三の歩に付いていた玉の紐(ひも)がなくなりました。そこですかさず下手は☗3三角成。これで上手玉は動けなくなりました。実は3図の☖2二玉が、早逃げのようでそうではなかったのです。

【5図 ☗3三角成まで 
 左図、☗3三角成は次に☗2二龍の即詰めを狙っていますが、それを防ぐ手が上手にはありません。そこで3図に戻って、上手は別の逃げ道を作ります。

上手玉に別の逃げ道
(再度、3図から)
☖2四歩、☗7二飛成、☖2三玉 (6図)


 上手は☖2四歩と逃げ道を作り、飛車成に対して☖2三玉と逃げます。今度は3三の歩を玉で守っていますから、すぐには寄りません。次の下手の一手は?

【6図 ☗7五歩まで
龍がじっと迫る(6図から)
☗4二龍、☖3四玉 (7図)


 終盤の攻めとなると、初心者は「王手」をかけなければいけない気分になるようです。でも、6図では有効な王手がありません。こんな時は焦らず、次に詰める手を考えます。上手玉にじっと迫る☗4二龍が好手でした。次の狙いは☗3三龍。角筋が利いているので即詰めです。
 そこで上手は☖3四玉と逃げます(7図)。

【7図 ☗7五歩まで
龍で追い回して下手勝ち(7図から)
☗3三龍、☖2五玉、☗3六龍、☖1五玉、☗2六龍 (最終図)

 3三の歩は角でも取れますが、この場面では龍で取る方が、威力があります。上手玉が上に逃げても☗2六龍まで、紛れる余地のない5手詰でした。
 なお、☖2五玉で☖4五玉と逃げるのも、同じく☗3六龍で角が利いているので逃げ場がありません。

【最終図 ☗2六龍まで

〔まとめ〕 10枚落ちの心得

 玉一枚で守る上手陣(9枚の歩)に対して、次の2つの戦略のどちらかを選ぶ。
①角と飛車の利き筋を一点に集中して敵陣を破り、大駒を成る。
②守りが手薄になる、玉の反対側に飛車を振り、敵陣を突破して龍を作る。
(本ページの作戦)
 ※状況によっては角が中央に出て、左側(7三または9三など)に成るチャンスも視野に入れておく)


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